平成28年度の健康保険の改正について

平成28年度の健康保険の制度の改正について、特に私たちの生活設計に重要なポイントについて解説します。

傷病手当金・出産手当金の日額計算式の変更

傷病手当金は、業務以外の病気やケガで仕事を休み、給料が支払われない場合に、健康保険から支給されるものです。3日間の連続休業後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して、最長1年6ヶ月支給されます

出産手当金は、女性従業員が産前産後の休暇を取得して給料が支払われない場合に、出産日(予定日より遅れた場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産後56日までの期間について支給されるものです

給料が支払われる場合でも、減額されて後述の1日当たりの金額に満たない場合は、その差額が支給されます。

(1)改正前

改正前の給付金額の計算方法は、1日あたり「標準報酬日額の3分の2となっていました。標準報酬日額は、健康保険料を決定する際に使用する、その年の4月・5月・6月の平均給料(標準報酬月額。通勤手当含む)を30で除したものです。

(2)改正後

今年4月の支給分から、1日あたりの金額は次の計算式となりました。

(支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日 × 2/3

出産手当金の場合、産前休暇の直前に時短勤務の制度を利用する人もいるでしょう。その結果、給与が減額され、標準報酬月額も随時改定で引き下げられることがあります。このときに出産手当金の額を計算されると、被保険者にとっては不利となります。今回の改正で「直近の継続した12ヶ月の月収」を平均することになったため、減給の影響が緩和されることになると考えられます。

標準報酬月額・標準賞与額

健康保険の保険料を算出するもととなる「標準報酬月額」については、47段階に分類され、上限は121万円となっていました。今回の改正で今年の4月から上限が3段階追加され、139万円が上限の金額となりました。

また、標準賞与額の上限額(年度における賞与の累計額)についても改正され、573万円となりました(改正前は540万円)。なお、厚生年金保険料の改正はありません。

 

入院時の食事の自己負担の引き上げ

入院した際の食事費用の自己負担額が見直されました。改正前は、一般の所得者は1食当たり260円でしたが、今年の4月以降は360円に引き上げられました。さらに2年後の平成30年4月からは460円に引き上げられます。

患者申出療養の創設

健康保険では、保険が適用されない保険外診療を受けると、保険適用の診療も含めて全額自己負担となります。ただし、先進医療など、国が定める療養については保険診療との併用が認められています(保険外併用療養費)。

今年4月から、治療が困難な病気について、国内で承認されていない医薬品・医療機器を使用した場合でも、保険外併用診療費として認める制度が創設されました。

短時間労働者の健康保険・厚生年金保険への適用拡大

今年の10月1日から、従業員が常時500名を超える事業所に勤務する「短時間労働者」は、新たに社会保険の適用対象となります。「短時間労働者」とは、勤務の時間や日数が常時雇用する人の4分の3未満で、下記の項目すべてに当てはまる人です。

この要件に当てはまる人と、この人を雇用する事業主は、今後健康保険・厚生年金保険の保険料負担が発生します。一方で、傷病で給料がストップした場合でも、前記の傷病手当金の制度が利用できます。老後の年金についても、厚生年金が上乗せされることになります。

短時間労働者の要件
・1週間の所定労働時間が

20時間以上

・賃金の月額が88,000円

(年収108万円)以上

・適用事業所での勤務期間が

1年以上見込まれる

・学生でないこと

 

「短時間労働者の健康保険・厚生年金保険への適用拡大」は、保険料負担、将来の老齢給付の金額など、私たちの生活設計に大きな影響を与える可能性があります。

 

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